土地家屋調査士とは、不動産の表示に関する登記の専門家であり、他人の依頼を受けて、土地や建物の所在・形状・利用状況などを調査して、図面の作成や不動産の表示に関する登記の申請手続などを行います。

土地の表題部の登記

土地地目変更登記

土地の登記簿に地目という欄があり、原則、土地の利用状況が登記簿に反映されています。
住宅用地は宅地となります。ほかに田、畑、山林など23種類が登記地目となります。
23種類以外、例えば「駐車場」という地目はありませんので、この場合は雑種地となります。
地目変更の登記は、利用状況が変わったとき、例えば「田」を埋め立ててその上に住宅を建築した場合など、登記簿の地目は自動的には変わりませんので、地目が変わったことを法務局へ申請します。これが地目変更登記となります。
これとは別に、当初から現状の地目と登記地目が異なっている場合は、地目変更ではなく「地目更正登記」となります。

土地分筆登記

登記簿では土地の個数を「1筆」の土地というように「ひつ」という言葉で表現しています。
ご自分で所有されている土地、建物の登記簿をご覧いただいたとき、私の家は2つの土地の上に1つの建物の登記があるという方や、1筆の大きな土地の上に3つの建物の登記がある方など、それぞれの事情で所有されている不動産の個数はまちまちとなります。
隣の土地の一部を譲っていただいて、ご自分の家の駐車場を建築する場合など、土地の個数に変更が必要となる場合に、土地を切り分ける登記(分筆登記)を申請することになります。
上記の例で、隣の土地の一部という登記簿はありません。
つまり、隣の土地を譲り受ける部分だけを切り離し、1筆の土地を2筆に切り分け(登記簿を2つにすること)譲り受ける部分の所有権移転登記をすることで、売主から買主へ売買ができたということになります。
分筆登記は道路拡幅工事のために一部土地を官公庁に提供する場合や、宅地分譲地などで、道路部分、住宅部分に切り分けたり、比較的身近に行われている登記となります。
現在の不動産登記法では、分筆する場合、原則その土地の境界を全て確定する必要があります。
土地の面積が登記と異なる場合、地積更正登記(面積を直す登記)と併用して申請することになります。

土地合筆登記

「ごうひつとうき」と言ったり、「がっぴつとうき」と言ったりしますが、上記の分筆登記の逆の登記のことになります。
例えば、ご自分の家の土地が3筆ある場合、3つの土地を1つにまとめてしまうという登記ということになります。
切ってばかりですと、土地の筆数は今後もどんどんと増えていくことになります。
土地の売買でも数筆の土地を売買するより、1筆の土地として売買するほうが、わかりやすいです。
こういった場合に申請人(所有者等の意思)側の理由や事情によって申請する登記となります。

土地地積更正登記

土地地積更正登記は土地の登記簿の面積(登記された面積のことを地積といいます)を更正する登記となります。
土地の面積を直す必要なんてあるの?とお考えの人も多いと思います。
宅地分譲地等を購入された方は、土地の登記簿上の広さ(地積)が実際の広さと一致していることがほとんどになります。
これは宅地分譲地として土地を切る(分筆登記)前提として面積がすでに直されているからなのです。
一方、先祖代々から土地を引き継いでおられる方など、その土地の境界を確定していない土地に多いのですが、昔からの土地の台帳(旧土地台帳)に記載されていた畝歩面積(セブめんせき)を平方メートルに計算して現在の登記に反映されている土地では、ほとんど登記の面積と実際の面積は一致しません。
ひどい例が特に山林で起こっています。
山林をお持ちの方は登記面積を見てい頂いたら100㎡と記載されていたとしても、現地で確認したら2000㎡以上あることも稀に起こります。
その逆もあり、登記は1000㎡あるけど、実際に測ったら半分以下だったということもあります。
つまり、境界立会等により、ご自分の土地の外周を全て確定した段階で正しい面積が出るということになります。

現在の日本の国土調査から、日本全国の土地登記簿の面積の合計が、日本の国土と一致することが当たり前なのですが、実際は九州の広さに相当する分、登記の面積が足りないそうです。
土地分筆登記でも少し触れましたが、現在の不動産登記法では、原則土地の面積を直してから、分筆登記をすることになります。以前は1000㎡の広さの土地から100㎡の土地を切り分ける場合は、100㎡の部分だけ境界確認等を行い、登記簿の面積から立会して確認した面積100㎡を差し引いて分筆登記をしていました。
これによって900㎡の境界を立会していない土地と100㎡の境界が決まった土地ができたわけです。
つまり、面積の誤差を立会していない土地に集約することになっていたということです。
分筆前の土地の面積が100㎡以上あれば、切り離すことができるという手続きでした。
近年になり、土地の面積において、わざわざ誤差を生じさせるような手続きは不適切であるという観点から、分筆する前にしっかりと面積を直して、土地を切り分けようとなったのです。(実際、差し引き計算による分筆登記で困った事件も起こっています)
また、正しい面積で土地を売買するほうが、売主、買主にとってトラブルは起こりにくいです。
銀行で融資を受ける場合などにも、地積更正登記は必要な登記として行うよう勧められることもあります。

土地表題登記

初めて土地が生じたときに行う登記が土地表題登記となります。
一体何のこと?となりますよね。土地があるのに登記がない土地はいわゆる国有地(里道、水路用地など)に多く、国有地の一部を売り払いを受ける際に、その部分の登記がないので、この登記を行うということです。
つまり、初めて土地の登記簿を作るという登記になります。他に海岸沿いに土地が隆起して新たに土地が生じた場合などに行う登記と教科書や辞書に書いてありますが、私の経験ではほとんどこのケースはありません。

土地の境界確定

土地の登記簿と土地の境界を決めることとどのような関係なのでしょう?
土地地積更正登記でも少し触れていますが、正しい土地の登記面積を算出する際、土地の境界が正しくないと当然面積も異なることになります。
我々土地家屋調査士は、土地の面積を正しく登記に反映させるために、土地の境界を決める手続きを業務としています。

測量

土地の境界を決めるために、測量機械を使って測量を行います。また、建物も正しい床面積を算出するために測量を行います。
つまり土地、建物の登記事項である地積、床面積を特定するために日々、測量技術の研鑽を行っています。
その他にも、土地利用状況を考える上での現況平面測量や、開発許可申請、農地法許可等の許認可申請書の添付書類に必要な現況平面測量図、工事計画図等の作成のための測量など、様々な分野での測量技術を必要とされています。

他にも様々な業務を取り扱っておりますので、お問い合わせフォームまたはお電話にて、お気軽にお問い合わせください。

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